材木屋の日記

建築士でもあるタケちゃんが日々を語るブログ

住吉の長屋

      2015/12/17

配送に行ったついでに、建築家 安藤忠雄氏設計の『住吉の長屋』を見てきた。当住宅は、氏の初期の代表作である。

個人住宅でありネットで検索しても詳しい場所はヒットしない(迷子になる人が多いらしい)が、動物的カン!? で一発で探り当てた。街の景観から判断して多分こっちやな、、、と。

住吉の長屋.JPG

ファーストインプレッション、、、ちっちゃい&隠れ家的酒場!? w(゚o゚*)w

間口わずか3.6m、奥行き14.4mと住宅を建てるには厳しい敷地。また南側(写真右奥)は隣家が迫っている。採光・通風も確保しにくい、、、簡単に言うと“住宅建築に適さない土地”である。

ここに、外部に全く窓のないコンクリートの壁で覆われた長屋が建っている。内部は平面を3分割し、中央に中庭を設けたシンプルな構成。 この中庭から光や風など、自然の要素すべてを取り入れている。

氏は「この中庭こそが、住み手に生活の豊かさを与える住まいの心臓となる 」と日経新聞”私の履歴書”の中で述べている。(反面、利便性の追求という点では全く近代住宅の流れに反するもので、当時は様々な批判を受けたようである。)

私自身、この長屋によく似た立地に住んでいるが、採光が確保されていないので朝になっても暗い!!  人間の生きるための機能がきちんと働かない気がしている。住宅にとって採光と通風の確保は、利便性以上に重要な要素であると感じる。

建築から35年経過しているが、、、
その建物は少しも色褪せることなく、凛とした輝きを放っていました (^^)

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